body
作品概説
大理石作品の、事実上修正が不可能な不可逆的世界と、石膏・粘土作品の可塑性の世界の違いはあるが、私の作品は光と影を調律して、
闇から光への無限のグラデーションを現出させるという特質で一致している。
私の人物像の制作行為については、人類・人間への属性とその内容を示す記号の作成である。
見る者を細部へと誘う、「リアル」を志向する私の作品群ではあるが、作品は制作者の観念的実体である事が本質であって、
解剖学的正確さはイメージの臨場感の要素の1つと考える必要があると私は考えている。
よって、一見リアルな、私の作品群ではあるが、私が感じた「リアル」と、対象から引用した「リアル」との成分比に私の独自性がある。
私の手のクセや認識作用によるゆらぎは作品の魅力にも通じる部分ではあるし、それらを許容範囲に納めるのも私の技術である。
ある種の力が物質の性質を変容しうるという事象・物体の声なき声を聞く感覚。これを指すのに彫刻や絵画などに限定されない、
もっと包括的な言葉はあるかもしれないが、便宜的に「アート」と定義しても良いかと、私は現状では考えている。
私の心理的衝動に端を発する制作行為について、情報伝達の一形態としてのある種の「言葉」と規定すると、それらの作品が指し示す内容は
作品の形体が作り出すグラデーションによって伝達される。